⑦一部上場の大手IT企業入社で一生安泰?

再びIT業界に戻ってきた僕ですが。

いきなりミスマッチ案件に遭遇して再び3カ月で契約終了。

次こそはという思いで巡り合ったのが、謎のオッサン一人の会社。

待遇も良いし、これはついに「当たり」が来たのか!?

 

大手企業OBのコネで、その大企業に派遣

オッサンの会社は、新聞の求人広告で見つけました。

再び派遣会社に登録するもアリかなと思ったんですが、

オッサンの会社がたまたま家から近かったんです。

行くだけ行ってみるかと思い、さっそく面接に行ったのでした。

 

すると、なんとなく気の抜けた60過ぎのオッサンが出てきまして、

テキトーに面談して、ニヤ付いた感じで「いくらほしいの?」的な話をして終了。

派遣先はもう決まっており、オッサンの以前にいた大企業です。

 

なんでもオッサンはその大企業を定年退職し、その時のコネを使って、

エンジニアをその大企業に送り込んでいるのでした。

「これなら僕でもできるなあと思ったから始めたんだよ」

だそうで、こだわりとか何もなく、ただ老後の暇つぶし感が半端ないです。苦笑

 

でも、給料は今まで最高ですし、「正社員として雇うよ」とのことで、

万が一、派遣先との契約が切れてしまった間も、給料が支払われます。

これならいいぞ!と思いまして、そこに就職することにしたのです。

 

大企業のフワフワした空気、再び!?

そして、大企業の担当者と面談の日が来ました。

オッサンに連れられて、まだ新しい高層ビル内のオフィスに潜入。

 

その日は雨が降ってましたから「傘」を畳んでオフィスに入り、傘を手に持ちながら歩くオッサン。

そして、子供のように屋内階段の手すりやフェンスの格子のところに傘をカンカンカンと当てて音を鳴らして遊ぶオッサン

「このオッサン、ヤベエ」と思いましたが、もう引き返せませんので面談に臨みます。

 

面談は合格で、さっそく現場に通うことになったのです。

しかし、さすが大企業ですね、以前にも大企業に行った時と同じ感覚がよみがえりました。

すごくフワフワしたポカポカ陽気のオフィスです。

公務員的と言うか、のんびりした感じが半端ないです。

 

ところがですね、そう思ったのは束の間、とんでもない面倒くさい人たちが隣の島にいたんです。

 

アホの坂田と千原ジュニア

現場に入りますと、まずプロジェクトの説明から始まりました。

そのプロジェクトは、僕がいる島(部署)と隣の島の合同プロジェクトでした。

僕がいる島はプログラムで、隣の島はインフラ担当でした。

 

ぼくはJAVAがやれると思って、毎週土日は本屋に通い勉強しまくり。

JAVAの経験ありますと言って入りましたが、3カ月ですからね。苦笑

ほとんど未経験も同然ですから必死で勉強したのです。

 

ところがですね、たいして経験のない僕が、勉強したばかりの知識で偉そうなことを言うと、

それを気に入らないと思う人が出てきます。

それが隣の島の人間だったのです。

 

隣の島にはすごい人がいて、いわば技術主任みたいな人なんですが、

そのひとがまた「アホの坂田」そっくりでして…。

そして、それにコバンザメのようにくっついている「千原ジュニア」にそっくりなエンジニアがおりまして。

僕はどっちも苦手だったんです。

 

坂田さんは新しい技術が大好きで、来年には廃れてしまうような奇抜なツールとかを使って平気で開発を進めちゃう人だったのです。

一方でジュニアさんは性格が悪く、あれこれ小さな文句を言ったり、上から目線で嫌味を言うタイプだったのです。

 

千原ジュニアとケンカ!またしても不穏なスタート!

ところで、IT業界の悪い癖なんですが、「技術ができる人に対して上司は何も言えない」という風習があるんです。

この会社もまたその通りでして、僕の部署のボスは、隣の部署の下っ端に文句を言えない人だったのです。

 

ある時、千原ジュニアが、なんとも面倒くさいことを言ってきたのです。

技術的なことなんですが、あーせい、こーせいと。。。

僕は頭にきて、色々とメールで返すんですが、

どうも傍から見たら、メールでケンカしているように見えたらしいのです。

 

いや、僕はかなり頭に来てましたから、ケンカに見えても不思議ではありません。

なのでメールでなくて、次のミーティングで言いたいことを言ってやったんです。

 

そしたら、ボスが僕のところにやってきて、

「なにやってん?なにもめてんの? 何がまずいの?

 千原ジュニアが間違ってるの?

  ハイハイ言うこと聞いとけばいいんじゃないの?」

と、まくしたてるようになだめられまして・・・。(汗)

 

技術のことがわかってないボスでしたから、とくに僕の味方をするわけでもなく、

まあ、要するにあっちの方が社内的に方式を決める部署なんだから従っておけよ、

ということを言いたかったようなのです。

 

嫌なやつを黙らせるには勉強しかない!

結局、ぼくも土日に毎日本屋で立ち読みして技術を勉強しても付け焼刃なスキルでしかなく、

長年やっているエンジニアに勝てるわけがないのです。

 

でも「いちおう仕事はできるんだな」と認識され始め、

ニッチな分野で「あ、そんなことも知ってるの?」と思われるようになると、

相手の対応も変わってきて、千原ジュニアもだんだん何も言ってこなくなったのです。

 

嫌なやつを黙らせるには勉強しかないなと、そう思ったのです。

 

さて、半年くらい過ぎたでしょうか、社内で人事異動があり、

その時のボスは別の部署に異動となり、メンバーも入れ替えがありました。

 

そこで再び将来について考え始めました。

社員さんは人事を気にしてますが、昇格する人もいれば降格の人もいて、

ざわついてはいますが、どことなく楽しんでるようにも見えました。

一方で派遣の僕は、こうして色々と勉強をしても、管理職の立場にはなれないんだなあと。。。

社員と派遣社員の差というものが、人事異動の瞬間を見ることで、すごく気になり始めたのです。

 

そもそも、自分自身の「キャリアプラン」がまったく見えなかったのです。

僕はどうなったら「ゴール」なんだろう。。。

 

なんでIT系の大企業に就職しようって思わなかったの?

さらに考えてみました。

思えば、さほど悪くない国立大を卒業したんだよな。。。

大企業にいた正社員の人たちは、すごい大学の人もいれば、そうでない人もいた。

なので、技術や知識ならボクでも大企業で通用すると思う。

 

新卒での入社は逃しちゃったけど、

今の僕でも中途採用なら、まだ大企業に就職するチャンスはあるんじゃないだろうか?

 

どうして最初から大企業への就職という道に気が付かなかったのか、

いや、最初からあきらめちゃっていたのかなと自分でも不思議に思ったのです。

よし、大企業への就職にチャレンジしてみよう!

 

思い立ったら吉日、ちょうど、6ケ月の契約更新のタイミングですし、

オッサンに辞めますと言うために会いに行きました。

 

ところがですね、あの暇つぶしで会社経営していると思ってたオッサンが豹変しまして。

あの、傘を手すりに「カンカンカン」とかやってたオッサンがですよ。

「わかったニャー、がんばってニャー」とか言うかと思ってナメてかかったら、

もうね、めっちゃくちゃ怒られまして・・・。

 

「最低でも1年は勤務しろ」と譲らなかったのです。

いや、3ケ月単位の更新だから、6ケ月目ですし大丈夫でしょ?

と言おうとしたんですが、

あ、

しまった、

今回は派遣契約じゃなくて正社員で入社したんだった・・・。

失敗したあ・・・。

 

それに気が付いた僕は、素直に今の気持ちをオッサンに伝えました。

「すみません、今後の将来が不安なんです。

 社長(オッサン)がこれから会社をいつまで経営されるのか?

 社長にもしものことがあり会社が5年後に無くなったら、

 僕はどうすればよいですか?

 まだ20代ですから、大きな会社に入りたいんです。」

 

そしたらオッサンも理解してくれたらしく、

「それを言われたら仕方ない」「あ、そこ気がついちゃった?」的な表情に変わり、

シブシブな感じでしたが了承してくれたのでした。

 

今までになく充実した就職活動!!

さあ、今回の就職活動はすごかったですよー。

過去最高の充実っぷりでした。

 

今まで経験不足で無理だと最初からスルーしてた会社をたくさん受けました。

その中の一社では、僕と話が合ったのか「最初から幹部として採用するから、ぜひ一緒にやろう」という社長さんもいました。

また別の会社は、VCから資金調達をする直前で、

「これからエンジニアを大量採用するから、ぜひリーダーとしてやってほしい」

という社長さんもいましたね。

 

もちろん、ブラックな会社もありましたね。

出てきた担当者の眉毛は細く整えられ、目つきがチンピラ、オラオラ口調。

「ウチは厳しいよ」

「僕は技術が好きだから大丈夫です」

「その程度で大丈夫? ウチの社員は寝袋持って出社するんだよ、意味わかる?」

(心の中で『炎上してるってことですよね?』と思うが返事できず・・・)

「え、わかんない? 会社に泊まるくらい仕事が大好きってことなんだよ!」

あぁ、この人は「バカなんだ」と思いました。

 

そんな中、数少ない大企業、しかも一部上場企業が募集広告を出していたのに目が留まりました。

JAVAの技術者を歓迎しているようだったので、絶対にここがいい!と思ったのです。

 

そして面接に行きましたら、とても穏やかでやさしそうな担当者のお二人。

面接も好感触でしたし、そのお二人は営業部長さんと、システム部長さんで権限のある人でしたので、

なんとなく受かりそうだなと思ったのです。

 

 

「あぁ、ここがいいな、受かるといいな」

と思ったら、後日、なんと、受かっちゃったのです。

 

もちろん、中堅企業で内定をもらっていた会社は全てお断りを入れて、

他にも募集していた一部上場企業には、応募せずに、この会社に入ることを決めたのです。

 

これで一生安泰と思いきや、なにこのキャラの濃い人々!?

今までいろんなことがありました。

夢を目指して突っ走ってきたデコボコ道の人生に終止符。

ここからは舗装された道です、これで安泰です。

ついに安泰です!!

 

嬉しかったですね、これからはもう天国が待っています。

そう思って疑いませんでした。

 

さて、入社しますと当時まだまだ勃興期だったネットビジネスを主に扱う部署に配属されます。

そして、JAVAがガッツリできるのかと思ったら、なんとphpという言語のプロジェクト担当・・・。

 

周りの同僚からは

「JAVAができると思ったら、phpですってね、、、文句言った方がいいですよ。」

なんて言われたりしました。苦笑

 

ぼくもちょっと先行きの不安を覚えたのですが、

まあ、phpと言う言語も面白そうだし、やってみるかと思ったのです。

 

ところが問題は、phpにはありませんでした。

そのプロジェクトのメンバーこそが「難あり」だったのです。

 

https://inumakedon.com/daienjo-project/

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